にゃんにゃんにゃん?いやいや違う。

この日は、3年生にとって“秋が終わる日”でした。

延びに延びた杉並PTAカップ決勝。
カレンダーは冬。世の中は冬季オリンピック真っ最中。
テレビをつければ金メダルラッシュ。
ジャンプにフィギュアにスノボに…
「鵬翔も金メダル、狙うか?」なんて冗談を言いながら、でも目は本気の少年たち。

さて、試合。
立ち上がり、いい当たりは出る。
出るんです。出るんですが。

相手、うまい。守る。
「あれ?金メダルの神様、まだ来てない?」なんて空を見上げたくなる展開。

しかし3回。
下位打線が「オレたちも主役だぞ」とばかりにチャンスを作る。
そして上位へバトン。きっちり先制。
4回は逆。
中軸が火をつけ、下位が返す。

切れ目なし。
これぞ打線。

4-0。
静かに、でも確実に主導権を握る。

ここからは継投。逃げ切り体勢。
…のはずが。

6回、野球の神様がちょっとイタズラ。
エラーも絡み、気づけば1点差。

ベンチ、ちょっとザワつく。
最終回、どうする。
監督とコーチ、短い会話。
「もし負けるなら、誰が投げて負けたら納得できる?」
答えは決まっていました。

「エースだろ。」
髙橋、再登板。

プレッシャー?
それはもう、冬季五輪の最終滑走くらいあります。

相手も必死。先頭出塁。
ツーアウトまで持っていくも、ヒット、四球。
ツーアウト満塁。一打サヨナラ。

両ベンチが静まり、応援席の父母の皆さんの“祈り”がグラウンドに降りる。
最後の一球。

打球はサードへ。
…よし!

しかし送球が高い。
うわっ、浮いた!
太田、懸命にジャンプ。
捕った!?
そのまま打者走者へタッチ——

アウト!!!
ゲームセット!!!
杉並PTAカップ優勝。

あの場面で、あのプレッシャーで、
逃げなかったエース。
最後まで諦めなかった守備。
声を枯らしたベンチ。
そして、祈り続けたスタンド。
野球って、技術だけじゃない。
覚悟と信頼でできている。

あの再登板の背中、
あの最後のジャンプ、
あの一球前の深呼吸。
あれが宝物だ。

3月、大田区大会へ。
金メダルラッシュはまだ終わらない。
でも鵬翔のメダルは、
首から下げるものじゃない。
胸の中に、もうかかっている。

さぁ次だ。
冬を越えた君たちは、ちょっと強いぞ。
【2/22(日)って、何の日?】
 

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